GTxResolve SEC カラム
GTx 原薬および製剤の初期の研究、開発、リリース試験を加速
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を活用して、遺伝子治療用製品の原薬の凝集体含量、完全性、不均一性、純度を迅速に評価することができます。Waters GTxResolve SEC カラムには、高分子の生体分析種の迅速な分析のためのブレークスルーケミストリーテクノロジー、およびこの種類で初のマルチ特性定量アッセイが取り入れられています。
高分離能、低吸着で頑健な GTxResolve SEC カラムを使用して、脂質ナノ粒子(LNP)、プラスミド、核酸、およびレンチウイルス(LV)、アデノウイルス(AdV)、アデノ随伴ウイルス(AAV)などのウイルスベクター分析の、品質の新たな評価基準が得られます。
- 低レベルの不純物の検出が可能になる高分離能により、凝集体およびサイズバリアントの分析が加速
- プラットフォームメソッドに必要な再現性のあるデータが得られる
- カラム有効期間の延長によるコスト削減の改善
- 二次的相互作用の軽減により MALS ノイズを低減
- バイオ医薬品の回収率向上に必要な低吸着ハードウェアを提供
仕様
概要
- コスト効率と再現性が高く頑健な SEC プラットフォームメソッドが、さまざまな医薬品の開発段階をサポートする
- サイズバリアント分析および低レベルの不純物の検出に不可欠な高分離能
- 業界初のタンパク質と核酸の両方の試験を使用して品質管理バッチテストを受けたカラムを用いて、新たなレベルの分離の再現性が得られ、放出されたペイロードおよび遊離のトランス遺伝子を確実に検出する
- 低吸着ハードウェアと不活性充塡剤により十分な回収率を達成できるため、サンプルの大容量注入の必要性が低減する
- 多角度光散乱検出器(MALS)などの汎用性の高い検出器と組み合わせると、サイズ分布、モル質量、凝集体の立体配座、絶対力価などの有用なマルチ特性測定値が得られる
- 新規の充塡剤と表面ケミストリーにより、二次的相互作用が軽減し、プラットフォームメソッドの開発がサポートされる
推奨用途:遺伝子治療用製品の原薬および製剤の凝集体/サイズバリアントの分析。
GTx カラムの特徴
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直径 100 ~ 500 Å の分析種
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2.5 µm のジオール結合 BEH 粒子
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MaxPeak HPS ハードウェア
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迅速なコンディショニングおよび低 MALS ノイズ
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直径 200 ~ 800 Å の分析種
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3 µm のエチレン架橋で結合した OH-PEO 粒子
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MaxPeak HPS ハードウェア
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迅速なコンディショニングおよび低 MALS ノイズ
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直径 800 ~ 2500 Å の分析種
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3 µm のエチレン架橋で結合した OH-PEO 粒子
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MaxPeak HPS ハードウェア
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迅速なコンディショニングおよび低 MALS ノイズ
SEC-MALS を使用したプラットフォームマルチ特性定量
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターやその他のウイルスベクターは、稀少疾患の治療において有望な治療法です。このような医薬品の安全性および有効性を確保するには、医薬品の含量および不純物のレベルを測定する必要があります。SEC は、サンプルのさまざまな成分の量を評価する上で有望な分離手法です。
このアプリケーションでは、新規で頑健な表面ケミストリーの粒子を使用した、AAV の分解経路の評価について実証します。GTxResolve SEC 1000 Å カラムおよび GTxResolve Premier BEH SEC 450 Å カラムは、二次的相互作用が少なく高効率であり、新規の薬物設計に関する洞察を容易に得て解析することができるため、プラットフォームメソッドの出発点に適したツールとして使用することができます。
低分子から高分子の核酸の完全性分析
mRNA などの高分子の核酸の完全性試験には、迅速なサイズ排除分析が有用である場合があります。GTxResolve Premier SEC 1000 Å カラムを用いた SEC により、高効率の分離が可能になり、高分子核酸の完全性および安定性を迅速に評価することができます。このアプリケーションでは、GTxResolve Premier SEC 1000 カラムを MALS 検出と組み合わせており、生物物理特性の解析におけるワイドポア SEC の有用性が実証されています。
ワイドポアテクノロジーによる LNP 不均一性の分析
脂質ナノ粒子(LNP)は、ワクチンおよび遺伝子治療における mRNA 送達用の非常に重要なキャリアです。このアプリケーションでは、MaxPeak Premier 3 μm 粒子が充填された Waters GTxResolve 2000 Å SEC カラムを使用して、2 つの異なるメーカーの LNP 製剤の不均一性を比較します。クロマトグラムは明確な溶出プロファイルを示しています。メーカー 1 の LNP 製剤では、幅の狭い対称性のピークが見られ、比較的均一な LNP 集団であることがわかります。メーカー 2 の LNP 製剤では、追加のショルダーピークと二次ピークを含むより幅広い溶出プロファイルが見られ、粒子径が大きいほど製剤がより不均一であることが示唆されます。このような違いをプロファイリングできる機能により、カラムの感度と分離能が浮き彫りになり、LNP ベースの医薬品の開発および品質管理の両方での使用がサポートされます。
プラスミドとベクターの分離
核酸医薬品の特性解析には、密接に関連している DNA 分子種を分離できる精密なツールが必要です。このことは、サイズとトポロジーが、効力、トランスフェクション効率、規制対応に直接影響するアプリケーションにおいて特に重要です。今回、構造的に類似した 2 つの環状 DNA 分子種の高分離能分離について実証します。このような分子は、従来の SEC カラムを使用して分離するのが困難ですが、この例では、Waters GTxResolve 2000 Å SEC カラムにより、特に、円で示す領域内の強調表示した pBR322 とその関連分子種の間でベースライン分離が得られており、2 つの DNA コンストラクトが明確に区別されています。
インタクトレンチウイルスベクター(LVV)のサイズの特性解析
レンチウイルス(LV)は、遺伝子治療、細胞治療(CAR-T など)、ワクチン開発において、ベクターとして広く使用されているレトロウイルスの一種です。遺伝子治療が特に有用である点は、遺伝物質を分裂細胞および非分裂細胞の両方に安定に組み込むことができ、治療用遺伝子の長期発現が可能になる点です。LV の特性解析は、その効力、純度、安全性を保証するために不可欠です。 これにより、頑健で拡張性があり、規制対応した遺伝子治療の成功に不可欠な、粒子の完全性、濃度、凝集に関する重要な情報が得られます。 今回、ダウンストリームで処理した LV サンプル(Rt 12 分)の、処理中に生成した他のフラグメント化タンパク質(Rt 14 ~ 15.5 分)からの、Waters GTxResolve 2000Å SEC カラム、MaxPeak 3 µm を使用した分離について実証します。
mRNA-LNP ベースのワクチンの医薬品としての安定性および完全性の試験
医薬品の完全性と安定性は安全性と有効性に影響するため、これらをモニターする必要があります。再現性、純度、特異性、直線性範囲は、mRNA ベースのワクチンにおいて考慮される重要品質特性の一部です。サイズ排除クロマトグラフィーは、核酸ベースのワクチン中の高分子 mRNA および LNP 凝集体の特性解析に適した手法です。GTxResolve Premier SEC 1000 Å を使用して、異なる 2 つのメーカーの 2 つの LNP 製剤(X1 および X2)の脂質ナノ粒子(LNP)含有量の一貫性および直線性レスポンスを調査しました。このアプリケーション例で、レスポンスの直線性は、GTxResolve Premier SEC 1000 カラムに注入した LNP の量に対してピーク面積をプロットすることによって測定しています。
お客様の声…
「私たちは、Waters GTxResolve 2000Å SEC カラムをテストし、レンチウイルスベクター(LVV)の純度試験に適用できました。プロセス関連の不純物を分離することで、新しい情報を迅速に得ることができたとともに、このメソッドによりインタクトの LVV を高い回収率で回収できることを実証しました。さらに、このカラムをプラスミド純度試験に適用したところ、嬉しい驚きがありました。私たちは初めて、プラットフォーム分析手法を確立し、原材料の質を確認して、プロセス開発チームをより純粋な原薬が得られるように導くことができます。これによってアッセイの数が減り、時間を節約でき、ICH ガイドラインで求められている精度の向上につながります。」
Kevin McManus、分析開発部門サイエンティスト III、Matica Biotechnology