
アフラトキシン
マイコトキシンは、食物に寄生したカビによって産生される化合物で、その毒性から全世界において規制の対象になっています。マイコトキシンの毒性事例には、嘔吐、食欲低下、下痢等の消化器障害や、肝硬変等の肝障害があります。その中でもアスペルギルス属が産生するアフラトキシンは極めて毒性の高いカビ毒として知られており、国際がん研究機関(IARC)では、クラス1に分類されています。
アフラトキシン類は各国で厳格な基準値が設けられており、国内では1971年から食品衛生法第6条第2項によりアフラトキシンB1が10 μg/kgを規制値として管理されています。穀類、豆類、種実類及び香辛料類中のアフラトキシンB1試験法(2002年3月26日付け食監発第0326001号通知、2008年7月28日付け食監発第0728003号改正)では、検査試験法として高速液体クロマトグラフィ-が、確認試験法としてLC/MS法が用いられています。
従来法では、アフラトキシンB2及びG2 の感度向上を目的に誘導体化法が用いられてきました。ウォーターズの ACQUITY UPLC FLR(蛍光検出器) ACQUITY UPLC H-Classシステム は、誘導体化不要な高感度高速定量分析を実現します。
この高感度定量システムを活用した分析法は、煩わしいサンプルの誘導体化や、ピーク幅を拡げ、感度低下の要因となるポストカラム法モジュールを必要としない効率的な検査法です。

アフラトキシン類の化学構造式
ウォーターズのソリューションの特長
- 高感度な非誘導体化分析手法による簡便な定量分析
- M1を含めたアフラトキシン類5種を4分以内で分析可能
高感度な非誘導体化分析手法による簡便な定量分析
大容量のFLRフローセルを用いたアフラトキシン分析キットは従来法に比べ高感度検出を実現しました。そのため、従来行われていたポストカラムを用いた誘導体化やTFAによる誘導体化を必要とせず、簡便な分析方法をご提供いたします。また、この分析システムは専用モジュールを必要とせず、トレーニングやトラブルシューティング、メンテナンスの効率化を図ることができます。
M1を含めたアフラトキシン類5種を4分以内で分析可能
UPLCテクノロジーを適用したアフラトキシン分析システムは、わずか4.分以内の分析を可能にしました。この結果、一般的なHPLC分析と比較し60%の分析時間の短縮と、85%の使用溶媒の削減が実現できます。

アフラトキシン類のクロマトグラム(非誘導体化)
システムソリューション
ACQUITY UPLC H-Class/蛍光検出器システム
■ 従来型HPLCの簡便な操作性と、UPLCの超高分離、高いスループット
■ 溶媒の事前調製が不要なマルチ溶媒混合システムを採用
■ サンプルロスを無くし、キャリーオーバーを極限まで抑えた”フロースルーニードル”デザイン
■ HPLC⇔UPLC分析法移管の際に双方向へのスムーズな移管を可能にするカラムカリキュレータを標準装備
アフラトキシン分析アプリケーション
ACQUITY UPLC H-Classシステムを用いた、トウモロコシ、穀類、アーモンド中のアフラトキシン類の迅速分析
Xevo TQ-Sを用いたマイコトキシンの高感度分析とその利点