クロマトグラファーはラボスケールのHPLC分取精製に悩まされてきました。最もストレスのたまる問題点の1つは、分取カラムにあります。カラム間の性能と寿命に一貫性がないと、結果としてサンプルを無駄にする、精製を繰り返す、小容量から大容量へのスケールアップが上手くいかないといった問題が発生します。ウォーターズではこの問題を克服するための充塡プロセスとカラムハードウェアの開発に3年以上の期間を費やしました。2003年に発表した自社開発のOBD(Optimum Bed Density: 最適ベッド密度)デザインは絶え間ない研究開発の成果として誕生しました。
Optimum Bed Density (OBD) テクノロジー特許取得済みのOptimum Bed Density (OBD)デザインおよびプロセスを用いて、OBD分取カラムは高圧スラリー充塡と、充塡ベッド密度の低いカラム入口に綿密に計算された可動栓式スラリー充塡の要素を組み合わせました。各パーティクルの種類とカラムハードウェアの形状について注意深く調整した充塡プロセスにより、カラム全体に渡って最適で均一なベッド密度が得られます。 |
ウォーターズは、更なる頑健性と長いカラム寿命を提供するために、10mm内径カラムハードウェアデザインを改定しました。特許取得のOptimum Bed Density (OBD) テクノロジーを採用することで、10mm内径分取カラムは、ウォーターズの19mm、30mm、50mm内径OBD分取カラムにより規定される、長い実績があり、信頼性の高い性能の基準に引き上げられます。クロマトグラフィー充塡剤には全く変更はありません。今までと同じ卓越した性能と、さらに長いカラム寿命を付加価値としてご期待ください。
Prep Calculatorウォーターズは、質量負荷スケーリング、適切な流速のスケールアップと使用溶媒量の予測を含むグラジエントスケーリング、質量トリガーに向けたスプリット比の計算、UPLCから分取フォーカスグラジエントへの分析法移管に向けた便利なスケールアップツールをご提供しています(注:スケールアップの計算は分取OBDカラムウォ―ルチャート記載の式を用いて実施)。 本ツールは www.waters.com/prepcalculator もしくは、下記それぞれ適切なカリキュレーターのリンクを訪問してください。 |
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UPLC から分取HPLCへ
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質量負荷分取カラムの質量負荷のキャパシティに影響を及ぼすファクターは数多くあります。表中の量は“平均的な”推定値です。負荷量のキャパシティは:
スケールアップに関してのより詳細は、分取OBDカラムウォ―ルチャートをダウンロードもしくはPREP Calculatorをご覧ください。 |
ペプチドの分取精製分離の予測が難しい、カラムの耐久性が低い、分析カラムから分取カラムへのスケールアップが難しいといった点から、ペプチドの分取精製は難しい工程でした。Peptide Separation Technologyカラムは頑健なケミストリーで、幅広いペプチドに適用できます。最適化した分離のスケールアップには、カラムサイズ間に渡って同じカラムケミストリーと性能が必要です。OBD分取カラムデザインと様々な粒子径でご提供するPeptide Separation Technologyカラムの頑健なケミストリーにより、ペプチド分取精製のプロセスがより効率的になり全体としてのコストの削減も可能となります。 |
分取ガードカートリッジ&ホルダー分取ガードの使用により、分取カラムの寿命を大きく延長できます。分取ガードホルダー&カートリッジは4種類の内径(7.8、10、19、30mm:ウォーターズの高品質OBD分取カラムを同じ内径でプロテクト)で10mm長さをラインアップしています。下記リンクから、様々なブランドのガードカートリッジと適したホルダーをお探し頂けます。 7.8 x 10 mm カートリッジ& 7.8 x 10 mm カートリッジホルダー ガードカラムは分取カラムの前に簡単に設置でき、卓越した保護性能を提供します。 |
分取スタンダート分取クロマトグラフィースタンダート 分取クロマトグラフィースタンダートは、分取/精製用システムのために特別に調合されています。本スタンダードにより、重要な物質の分取の前に、UVまたMSを使用した分取/精製用システムの性能を確認することができます。 ボイドマーカー、中性化合物、酸性化合物、塩基性化合物から構成され、幅広いカラムケミストリーとカラムサイズ、システムにご使用いただけます。
自動分取システムスタンダード 自動分取システムスタンダードによりUVおよびMSトリガーによる逆相分取/精製用システムのフラクション性能を確認することができます。この3種の色素により構成されるスタンダードはフラクションコレクター付の全ての分取システムにご使用いただけます。 |
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分取スケールHPLCクロマトグラフィーは、化合物の合成、同定、単離、精製、特性解析、スクリーニング、試験実施が必要なアプリケーションで重要な役割を果たします。ウォーターズは、半自動化モジュール式システムからMS自動分取精製システムまで、MS分取精製が必要な場合にもUV分取精製システムが必要な場合にも対応したスケーリング可能な一連のHPLC分取精製ソリューションをご提供します。
OBD Columns Enabling Technology for Laboratory-Scale Isolation and Purification
効率的な分取精製のためのカラム選択や分取メソッド開発の際の疑問点、負荷量を増やすポイントについてQ&A形式でご紹介します。