HPLC カラムハードウェア

カラム管およびフィッティングには分離を行うクロマトグラフィー用充てん剤[固定相]が充てんされています。それらは製造時および使用時の背圧への耐久性が必要とされます。また、制御された [漏れない、最小容積、デッドボリュームなし]流路でカラム入口にサンプルを送りこみ、分析対象成分をカラム出口から溶出させ、分離システム[サンプル、移動相、固定相]に対して化学的に不活性でなければなりません。多くのカラムは高耐圧のステンレス製です。 PEEK[工業用プラスチック]およびガラスは、圧力耐性は劣りますが、特殊な化学的または生物学的なアプリケーションにおいて不活性表面が必要になる場合に使用されます。


図 M-1: カラムハードウェア例

ガラスカラム管には視覚的な利点があります。図M-2の写真は、サンプルがまだカラムの中にある状態で流速を止めたものです。 注入されたサンプルに含まれる3種類の色素が充てん剤の中で分離されていることが分かります。黄色成分が最も速く移動し、ちょうどカラムから溶出されるところです。

 

図 M-2: カラム内部の様子

分離性能 – 分離能
2つの化合物の分離の度合いは分離度[RS]で表されます。 HPLCカラムの総合的な分離効率または分離能を決定する2つの主要因は以下の通りです:カラム長さ、粒子径、充てんベッドの均一性による機械的分離能/充てん剤と移動相間での化合物の物理化学的な競合作用による化学的分離能。カラム効率は機械的分離能の指標になる一方で、選択性は化学的分離能の指標になります。

機械的分離能 – カラム効率
カラムベッドが安定で均一に充てんされていれば、その機械的分離能はカラム長さおよび粒子径により決定されます。機械的分離能はカラム効率とも呼ばれ段数[N]で比較されます。小さな粒子径の充てん剤は高いカラム効率と高い背圧を与えます。粒子径が一定であればカラム長さを増加させることにより、より高い機械的分離能が得られます。しかし、代わりに長い分析時間と大量の溶媒消費量が必要となり、背圧も高くなってしまいます。カラム長さを短くすればこれら全ての問題は解消しますが、図Nに示されるように機械的分離能は損なわれます。

 

図 N: カラム長さと機械的分離能の関係 [粒子径は一定]

図 O: 粒子径と機械的分離能の関係[カラム長さは一定]

図Oに示されるように、充てん剤ケミストリ、移動相、流速、カラム長さおよび内径が一定でも粒子径が小さくなると同じ分析時間でより高い機械的分離能が得られます。しかしその一方で非常に高い背圧がかかります。

化学的分離能 – 選択性
充てん剤ケミストリ[固定相]と移動相組成の組み合わせの選択-分離システム-は化学的分離能の程度を決定します。[どのように各分析対象成分の溶出速度を変更するか]選択性の最適化は分離を行う上で最も効果的な手段です。これにより、強引に可能な限り高い機械的効率を必要としなくてもよくなります。任意の2つの化合物の分離方法は、多数の位相の組み合わせ[固定相と移動相]と保持メカニズム[分離モード]の中から選択することができます。これらについては次のセクションで説明します。

 

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