較正

すべての GPC 分析の最初のステップはシステムの較正です。下の図は、THF を溶離液として用いて Alliance で得られたポリスチレンの単分散標準試料の較正曲線です。分子量範囲は約 250 ~ 300 万にわたっています。カラムセットとして HR 5E (ミックスベッド) 2 個と HR2 (500A) カラム 1 個を使用しました。カラムはカラムヒーターで 40°C に加温し、流速は 1.0 mL/min としました。較正曲線は 5 次多項式フィッティングです。曲線はきれいに見えますが、留意すべき非常に興味深いこともあります。曲線には各スタンダードの 3 回のインジェクションが示されています (3 個のバイアルからそれぞれ 1 インジェクション)。したがって、曲線上のポイントの総数は 39 になります (注意して見ると、複数のスタンダードに非常に小さなばらつきがあることがわかるかもしれません)。単分散標準試料の保持時間の再現性は 0.04% 未満です。これは Alliance システムの送液の精度が優れているために得られる結果です。THF 以外の溶媒で GPC 分析を行うことが必要な場合もあります。



下の図は、ジメチルホルムアミド (DMF) を溶離液として用いた、ポリ (メチルメタクリレート) (PMMA) の単分散標準試料の較正曲線です。



低分子量のポリスチレンスタンダードの保持時間には一貫性がなく、溶出が予測より遅れる傾向があるため、DMF を使う場合はポリスチレンよりも PMMA を使います。ポリスチレンオリゴマースタンダード (たとえば、分子量が約 700 未満) では、全容量 VT を超える保持容量が示される場合もあります。PMMA の単分散標準試料にはこのような傾向がなく、DMF を使う分析で好まれます。ポリスチレンの較正と同じカラムセットをこの分析でも使用しました (HR 5E カラム 2 個と HR2 カラム 1 個)。唯一の違いは、これらのカラムに DMF が封入されていたことです。濃度 0.05 M の臭化リチウムを DMF に添加しました。これは、DMF を溶離液として分析されるサンプルのほとんどは極性が非常に高い傾向があるので、サンプルと溶離液の極性相互作用を防止するためです。ポリスチレンの較正曲線では各スタンダードを 3 回インジェクションしましたが、この分析でも同じ操作を行ったため、較正曲線上のポイント数は 36 になります。この較正曲線は、ポリスチレンの較正曲線と比較して、ばらつきがさらに少なくなっているようです。なお、DMF の粘度を低下させるためにカラムを 80°C に加温しました。

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