
近年の分析機器の発展により、安全で安心な水質を確保するため、新たな水道水質試験の試験法が増加傾向にあります。また、試験を継続的に安定して行うため平成24年9月より「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」が施行され、より精度と頑健性の高い試験が各機関に求められています。ウォーターズでは水道水質試験を迅速かつ安定的に実施するための前処理から機器分析までのソリューションを提供します。
水道農薬
水道水中の農薬類について新たな分類、目標値、標準的な検査方法等が通知されました。複数の農薬試験の効率化を図るため、別添方法18,19,20,20の2の農薬についての直接注入一斉分析が開発されました。ウォーターズのカラムテクノロジー、ACQUITY UPLCシステムやMS検出器を用いることにより水道水の直接分析においても短時間で高分離・高感度な分析が可能となり、分析時間の短縮・簡略化が図れます。
ハロ酢酸
水質基準項目に指定されているハロ酢酸の分析には、従来よりジアゾメタン誘導体化GC/MS法が採用されていますが、前処理が煩雑であることなどから、誘導体化せずに測定できるLC/MS(MS/MS)法も採用することが可能です。マトリックスとなる陰イオンを分析カラムにて分離することにより前処理が不要となります。高極性化合物に飛躍的な保持を示すウォーターズのカラム、高速・高分離のUPLC、高感度MS検出器を用いることで水道水の直接注入によるハロ酢酸分析の効率化が図れます。
フェノール類
水質基準項目に指定されているフェノール類は固相抽出・誘導体化GC/MS法がおよび固相抽出LC/MS(MS/MS)法が採用されています。ロット間差が少なく安定的な回収率を実現するOasis HLBにて処理し、誘導体化せずにLC/MSにて分析することによりフェノール類分析の効率化が図れます。
イミノクタジン・パラコート・ジクワット
農薬分類の刷新により対象農薬リスト掲載農薬類に指定されながら標準検査法が設定されていなかった、パラコートに加え、従来法では目標値の1/100の定量が困難だったジクワットとイミノクタジンを逆相-弱陽イオン交換ミックスモード固相で抽出し、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)カラムを使用したLC/MS/MSで一斉測定する別添方法21が、平成27年4月1日に追加されています。ミックスモード固相Oasis WCX とAtlantis HILIC シリカカラムの組み合わせで目標値の1/100まで確実に定量可能になります。
システムソリューション
Oasis
- 特許所得の水湿潤性ポリマー固相
- 固相が乾燥しても高性能
- 逆相、逆相-イオン交換ミックスモードをラインアップ
- 幅広い成分に高い回収率と精度を発揮
- マトリックス効果を大幅に削除
- フェノール類告示検査法、パラコート・ジクワット・イミノクタジン一斉検査法など、水道検査法に多数採用
ACQUITY UPLC カラム
- 高極性から疎水性化合物まで幅広い化合物の分離に最適:ACQUITY UPLC HSS T3カラム
- 陰イオンマトリックスと高極性ハロ酢酸類を完全分離:ACQUITY UPLC HSS T3カラム
- 高い化学的安定性で頑健性の高いイミノクタジン・パラコート・ジクワット分析を実現:ACQUITY UPLC BEH HILICカラム
ACQUITY UPLC H-Class
- 高耐圧でも少量から大量注入まで各試験法に対応したフレキシブルな全量注入方式
- 低拡散で超高分離、高いスループット、安定した送液
- キャリーオーバを極限まで抑えた”フロースルーニードル”デザイン
- 様々な試験法に対応した4液混合の送液方式
Xevo TQD/Xevo TQ-S micro タンデム四重極型質量分析計
- 小型なのに高感度な質量分析計
- イオン収束系の向上により、小さなイオン取り込み口でも高感度かつ高い再現性
- 高速ポジティブ・ネガティブスイッチング
- 多成分一斉分析でも取り込みスピードに依存しない高感度分析
- メンテナンスが容易で汚れに強いZSprayイオン源
- 水道水質試験メソッドをスタンダード装備(無償)
アプリケーション