水質安全性管理試験
水道水の水質基準については、水道法(昭和32年法律第177号)第4条第2項の委任に基づく「水質基準に関する省令」(平成15年厚生労働省令第101号)において、厚生労働大臣が定める方法によって行う検査において基準に適合するものでなければならない旨規定されており、これを受け、「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」(平成15年厚生労働省告示第261号。以下「検査方法告示」という。)において、水質基準の各検査事項に係る検査の方法が規定されています。
この検査は原則、水道事業体に義務付けられており、その試験方法は厚生労働省から告示された方法(告示法)で行われる。また、告示法はいかなる理由においても変更不可(告示法に準拠)とあります。
今回、この検査方法に関してパブリックコメント制度から寄せられた意見に基づき水道水質検査法検討会で検討が行われた結果、検査方法「液体クロマトグラフ-質量分析計による一斉分析法」における対象項目「クロロ酢酸、ジクロロ酢酸及びトリクロロ酢酸」及び「非イオン界面活性剤に係る分析方法に固相抽出-高速液体クロマトグラフ法」が新規追加検査法(案)として追加されました。
ウォーターズのソリューションの特長
ハロ酢酸 — 最適なカラムケミストリの選択
ハロ酢酸のLC/MS(MS)測定におけるポイントの一つに「最適なカラムケミストリの選択」が挙げられます。
- 極性化合物に対し、高い保持能を有し、
- 酸性移動相での化学的安定性が高く、
- 水系移動相でのDewettingを最小限にする
測定対象物のハロ酢酸と検水中のマトリックスを充分に分離する事で、イオン・サプレッションを最小限に抑え、前処理をする事なく測定が可能となります。

図 UPLCカラム HSS T3:2.1×100 mm, 1.8umを用いたハロ酢酸の測定例
Xevo TQDタンデム四重極型MSによるRADAR機能(Scan/SIMまたはSRMの同時測定)を用いた分析条件検討の効率化
Xevo TQDタンデム四重極型MSのRADAR機能を用いる事で、検水中に含有が予想される高濃度の硝酸・亜硝酸態窒素や、残留塩素の除去に使用されるアスコルビン酸といったマトリックスとの分離や、添加回収率の著しく低い検水のマトリックス情報が得られる事で、効率良く前処理や分析条件を設定する事が可能です。

図 RADAR機能を用いたマトリックス(硝酸・亜硝酸態窒素、アスコルビン酸)との分離確認
操作性・拡張性に優れたソフトウェアーによる簡便で明瞭な測定条件の設定と解析レポート
また、保持時間や定量値はもとより、TargetLynx での解析レポートが指針値からの許容範囲等を表示し、簡便で明瞭なレポートを作成します。
システムソリューション
ACQUITY UPLC H-class / Xevo TQD システム
■ システムチェックの自動化と操作性を向上したインターフェイス
■ 定量アプリケーション向けに最適化されたMS/MS検出器
■ 堅牢なZSpray™インターフェース
■ ソフトウェアによる、システム最適化および定量分析メソッド開発の自動化
■ 各アプリケーション分野に対応するための、専用のアプリケーションマネージャ
■ 最小のベンチトップ型MS/MS
水質安全性管理試験ソリューション
- UPLC/MS ( /MS )を用いたクロロ酢酸、ジクロロ酢酸及びトリクロロ酢酸の測定
- ACQUITY UPLC H-Classによる非イオン界面活性剤分析