Waters™ MassTrak™ 免疫抑制剤キャリブレーション試薬セットおよび品質管理セットの計量計測トレーサビリティー
体外診断(IVD)目的です。一部の国/地域では提供されていません。
要約
臨床ラボでは、自家調整検査法(LDT)の開発およびバリデーションにおいて、各国の規制ガイドラインおよび国際基準に準拠することが要求されます。さらに、一部の地域では ISO 15189:2012 Medical laboratories -- Requirements for quality and competence(医療ラボの質と適性に対する要件)の導入により、計量計測的にトレーサブルなキャリブレーション物質を使用することが必要になります。そのため、Waters MassTrak 免疫抑制剤キャリブレーション試薬セットおよび品質管理セット(IVD)の設計、開発および製造においては、計量計測トレーサビリティーおよび結果の正確性が不可欠な要因であり、ラボでバリデーション済みの LC-MS/MS 分析法を使用する際に統一性のある結果が得られるよう支援しています。
このアプリケーションブリーフでは、Waters MassTrak 免疫抑制剤キャリブレーション試薬セットおよび品質管理セットの概要並びにそれらの正確性およびロット間検査にわたる比較を記載します。
アプリケーションのメリット
- 有効期間と安定性のデータが確立された、乾燥凍結キャリブレーション試薬および品質管理(QC)により、サンプル前処理にかかる時間が短縮
- 免疫抑制剤の信頼できる正確さ、不確かさおよびロット間の測定値により、ラボの分析法の統一への道が開ける
はじめに
臨床ラボは、各国の規制ガイドラインおよびラボに品質と適性を実証することを求める ISO 15189 などの国際基準に準拠しています。計量計測的にトレーサブルな高い標準および質のプロセスでキャリブレーション試薬および QC 試薬を製造することで、製造ロット間のばらつきが最小限になるラボの統一性への道が開けます。多くの臨床ラボで用いられている LC-MS/MS 分析法は LDT に基づいており、分析前ワークフローでかなりの手動での前処理が必要です。これにはラボの分析者による内部キャリブレーション試薬や QC 試薬の調製が含まれる場合があり、エラーや物質の不正確さが生じて、ラボの効率低下につながることがあります。
Waters MassTrak 免疫抑制剤キャリブレーション試薬セットおよび品質管理セット(IVD)(図 1)には、凍結乾燥したヒト全血中にシクロスポリン、エベロリムス、シロリムス、タクロリムスが含まれており、現在利用できる最高レベルの計量計測トレーサビリティーが得られます。これらの免疫抑制剤には、SI トレーサブルなレファレンス物質やレファレンス測定手順がありません。すべての免疫抑制剤濃縮液は、独立した国際技能試験(IPT)スキームのサンプルおよび全血中の二次レファレンス物質(シロリムスおよびタクロリムスのみ)を用いて確認しています。
結果および考察
ラボの効率性の向上
Waters MassTrak 免疫抑制剤キャリブレーション試薬セットおよび品質管理セットは、(再溶解後)そのまま使用できる計量計測的にトレーサブルなキャリブレーション試薬および品質管理物質を含めることにより、分析前ワークフローの効率が上がるように設計・製造されています。表 1 に示す主なメリットには、内部キャリブレーション試薬を調製する際にラボで実施していた複数のステップが不要になり、時間とリソースが大幅に節約できることが含まれます。十分に立証済みの製造プロセスおよび品質プロセスを用いて調製された凍結乾燥試薬は、従来の内部試薬よりもロット間のばらつきの点で良好で、長い有効期間(最大 3 年間)と使用時の安定性(最大 31 日間)を示しました。
計量計測トレーサビリティーと正確性
ISO 15189 に準拠しているため、免疫抑制剤については高次のレファレンス手順やレファレンス物質がありません。そのため、ラボの統一性を支援するために、MassTrak 免疫抑制剤キャリブレーション試薬および品質管理セットを、二次レファレンス物質を使用して確認しました(結果を表 2 に示します)。
ロット間の比較
キャリブレーション試薬セットの正確性を、社内で調製した QC サンプルおよび IPT サンプル(キャリブレーション範囲にわたっている)の評価により決定しました。ルーチンの LC-MS/MS 測定手順を使用した IPT の測定により、3 ロットのキャリブレーション試薬の製造材料の正確性を評価しました。キャリブレーション試薬材料の各ロットにより測定した IPT の目標値からの平均偏差(%)を決定し、(統合した IPT スキームに対する)正確性を実証しました。図 2 に示す結果から、キャリブレーション試薬の正確性だけでなく、製造プロセスでのロット間の再現性も実証されました。このことは、ラボにおいて、異なる製造ロットを使用して、標準試料の経時的な統一性を保つ上で重要になります。
結論
MassTrak 免疫抑制剤キャリブレーション試薬セットおよび品質管理セットの計量計測トレーサビリティーが確立され、ラボでの ISO 15189 準拠が支援されます。独立した国際適合性試験スキームを通じて、正確性および再現性が確認できました。さらに、ラボのワークフローが改善されて時間がかかり価値の低い作業がなくなり、有能なスタッフが解放されて、より重要な作業に集中できるようになりました。
免責事項
MassTrak 免疫抑制剤キャリブレーション試薬および品質管理セットは、一部の国/地域では販売されていません。提供状況については、最寄りのウォーターズの営業担当者にお問い合わせください。
ソリューション提供製品
720007583JA、2022 年 4 月