GPC/SEC に関するよくある質問

GPC に関するよくある質問

カラムおよびカラムの選択

較正

サンプル前処理

検出器

 

カラムおよびカラムの選択

どのカラムを使えばよいですか? また、その理由は?

カラムの選択は、対象ポリマーの正しい分子量分布を確実に得るために重要です。

最初に検討する必要がある要素は溶解性です。

水溶性

  • Ultrahydrogel® カラムシリーズ

有機溶媒可溶性

  • Styragel® HR (高分離能が必要な場合)
  • Styragel HT (高温分析用)
  • Styragel HMW (超高分子量ポリマー用)

どのような封入溶媒のカラムを購入すればよいですか? また、その理由は?

HR カラム、HT カラム、HMW カラムは、以下のいずれかが封入されています。

  • THF
  • トルエン
  • DMF

HFIP (ヘキサフルオロイソプロパノール) を溶媒として用いて室温で分析するためにメタノールが封入された専用カラムもご利用いただけます。ここに挙げた 4 種類以外の溶媒をアプリケーションで使用する場合、大体の目安があります。クロロホルム、塩化メチレンといった溶媒を用いて「室温」分析を行う場合は、THF から置換します。TCB、ODCB といった溶媒を用いて高温分析を行う場合、約 85 ~ 90°C で、トルエンから置換します。また、DMAC (ジメチルアセトアミド) や NMP (n-メチルピロリドン) などの非常に極性の高い溶媒を使用する場合は、DMF から置換します。

溶媒「A」を封入したカラムがあります。これを溶媒「B」に変更するにはどのようにしたらよいでしょうか?

一般には、2 つの溶媒が混和するものであれば、0.1 ~ 0.2 mL/min の流速で直接置換できます (カラムの取扱説明書を参照)。もし溶媒が混和しない場合は、(両溶媒と混和する) 中間の溶媒を使用しなければなりません。

カラムの接続順序は? また、なぜそうするのですか?

一般的に、カラムがどのような順番に設置されるかは問題ではありません。接続の順番は、溶出するポリマーの分子量分布計算に影響しません。しかしながら、ポアサイズ 100 Å または 50 Åのスチレン/ジビニルベンゼンゲルカラムは比較的柔らかく耐性が低い傾向にあるため、必ず接続順の最後に設置するのがよいでしょう。

GPC カラムを使用するときの流速は?

内径 7.8 mm の分析カラムでは、流速が 1.0 mL/min を超えないことが推奨されています。これらのカラムの「最適な」分離能は、約 0.70 ~ 0.80 mL/min で得られます。内径 4.6 mm のカラムの最適流速は、0.3 ~ 0.35 mL/min です。詳しくは、各カラムの取扱説明書を参照してください。

カラムを使い始めるとき、流速と温度は徐々に上げていかなければなりませんか?

分析用 GPC カラム、特に HR シリーズでは、流速を徐々に上げていくのは必須です。急な流速 (と結果的に背圧) の増加は、カラムを確実に損傷します。温度の上昇はそこまで重要ではありません。一般に、流速は 0.0 mL/min から 1.0 mL/min に 60 秒かけて上昇させ、温度は室温から 150°C まで (たとえば) 数時間かけて上昇させます。

カラムのポアサイズはどのように選択すればよいですか?

ポアサイズは、対象サンプルのおおよその分子量範囲から判断して選択します。たとえば、ポリマーの分子量範囲が低い場合 (エポキシ樹脂など)、103 のカラムセットの 500 Å、100 Å、50 Å カラムを使用します。分子量範囲が中間領域の PVC が対象サンプルの場合は、103、104、および 105 のカラムセットを使用します。ポリマーの分子量範囲に合ったポアサイズを選択することで、最大の分離能が得られます。分子量範囲が未知の場合、または非常に広い場合は、ポアサイズが混合されたミックスベッド (「リニア」または「拡張範囲」) カラムを使用するとよいでしょう。

分離能とは何ですか? そしてどの位必要ですか?

GPC 分析において、分離能は単位溶出容量あたりに分離される分子量の範囲を意味します。できるだけ大きいほうが望ましく、最大化する最も簡単な方法は、カラムを追加することです (結果として残念ながら分析時間も長くなります)。他には、カラム効率を上げるためにより小さな粒子径 (約 5µm) を使用することです。これは、カラムの耐久性と寿命を犠牲にすることになります。オリゴマーや添加剤、不連続の分布が存在する分離では、分離能は重要かもしれませんが、サンプルの分子量分布が広い高密度ポリエチレンの場合、分離能はそれほど重要ではありません。

ウォーターズは、粒子径 5 µm の高分離能の HR シリーズ、粒子径約 10 µm の (高温分析やさまざまな溶媒に変更する場合に最適な) HT シリーズ、粒子径 20 µm の HMW シリーズを製造しています。HMW シリーズは、せん断が問題になり、分離能はそれほど重要でない超高分子量サンプルに適しています。

 

較正

「単分散」標準試料とは何ですか? 「ブロード」標準試料とは何ですか?

  • 「単分散」標準試料とは、多分散度が約 1.10 以下の標準試料のことです。多分散度は、数平均分子量 (Mn) に対する重量平均分子量 (Mw) の比として定義されます。
  • 「ブロード」標準試料は、多分散度が 1.10 を超える標準試料で、通常、分析対象のサンプルと同じポリマーが用いられます。

「単分散」標準試料を使用する場合でも、複数の標準試料を同時にインジェクションできますか?

従来の RI 検出器を使用する GPC では、溶出する標準試料が十分に分離するのであれば、混合した標準試料のインジェクションは可能です。ただし、その上限は 3 種類とすることが望ましいでしょう。標準試料のピーク面積を正確に知る必要のある粘度計のようなより高度な検出器の場合、1 回に 1 種類の標準試料をインジェクションすべきです。

ポリマーに対して使用する標準試料は、どのように選択すればよいですか?

多くの場合、単分散標準試料での相対的な較正がよいでしょう。その場合、有機 GPC ではポリスチレン標準試料を選択するのが一般的ですが、PMMA、ポリイソプレン、ポリブタジエン、あるいはポリ THF の単分散標準試料が使用されることもあります。水系 GPC では、単分散ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、プルラン (多糖) が使用できます。「実際の」分子量が必要 (で単分散標準試料がキャリブラントとして不十分) な場合は、サンプルと同じ化学特性のブロード標準試料(または標準物質) を使用するとよいでしょう。

ブロード標準試料の信頼性は? 

ほとんどの場合、市販のブロード標準試料は、Mw、Mn、Mz などが適正に得られる方法で十分に特性が明らかとなっています。これらの標準試料を購入するには、報告されている値は正確であり優れた精度で得られたものである、ということに対するある程度の信頼が必要です。較正曲線はこれらの値に基づいているからです。また、これらの補助的な方法で分析してもらうために、ラボで分析する典型的なサンプルを代表サンプルとして送ることもできます。多くの研究所や大学では、ブロード標準試料として使用するサンプルを分析し、Mn、Mw、Mz などを報告するサービスを行っています。

『Polymer Handbook』の K 値とα値を使うことができますか?

対数分子量の代わりに対数流体力学的容積に基づいて較正を行うというユニバーサル較正の概念により、未知の物質の「絶対」分子量がわかるようになりました。対数 [分子量] に対する対数 [固有粘度] のプロットは、「Mark-Houwink」プロットまたは「粘性法則」プロットと呼ばれます。この曲線の傾きがαで、切片が K (Mark-Houwink 定数) です。粘度計を直列につないで使用していない場合、ユニバーサル較正を行う単分散標準試料だけでなく未知の物質についても Mark-Houwink 定数が既知であれば、この値を使用することができます。『Polymer Handbook』に記載されている値が正しい対象ポリマーのもので、正しい分子量範囲にあり、使用する溶液中で分析温度において得られたものでなければなりません。

 

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サンプル前処理

移動相はどのように調製すればよいですか?

ほとんどの場合、移動相の調製に必要なステップはろ過だけです。溶媒は、0.45 μm  のフルオロカーボンフィルター (水性溶媒系 GPC の場合にはアセテートタイプ) でろ過してください。

どんな添加剤が必要ですか? また、それはいつ使えばよいですか?

移動相の添加剤が必要となる場合もあります。たとえば、DMF、DMAC、NMP のような極性溶媒には 0.05 M の臭化リチウムを加えます。これらの極性溶媒は、分布の高分子側の端に現れる不自然なショルダーの原因として存在する双極子相互作用のあるポリウレタンやポリイミドのような極性ポリマーを分析するときに使用されます。この相互作用は、塩を添加することで取り除くことができます。ポリオレフィンの高温分析では、4 L あたり約 1 g の抗酸化剤 (ほとんどのヒンダードフェノールが使えます) を移動相 (たとえば TCB) に添加する必要があります。これにより、インジェクション前に高温のサンプルカローセルに置かれているサンプルの酸化を低減します。

サンプルはどのように前処理したらよいですか?(温度、時間、混合など)

GPC 分析を行う前に、分析対象サンプルがどの溶媒に溶解するかということを確認する必要があります。ウォーターズは GPC を扱う企業として出発し、GPC で分析されたことのあるほぼすべてのポリマーについて、溶媒と温度の一覧表を作成しました。サンプルが溶解するまでの時間は (室温でも高温でも)、通常、分子量および結晶化度の 2 つの条件により異なります。ポリマーの分子量が大きく結晶化度が高いと、溶解に時間がかかります。通常は、少し撹拌して 2 ~ 3 時間待つとサンプルが溶解します。場合によっては (たとえば、超高分子量のポリエチレンは)、数時間かかる場合もあります。高速撹拌、超音波溶解、およびマイクロ波溶解は、実施してもポリマーが分解しない場合を除いて、行わないでください。

濃度とインジェクション容量はどの位にすればよいですか?

目安として、ピーク分子量が 100,000 のポリマーは、約 0.10 ~ 0.12% (質量/体積) の濃度で溶媒に溶解してください。これは、溶媒 1 mL あたり約 1 ~ 1.2 mg のサンプル (またはスタンダード) が含まれることになります。分子量が大きいほど濃度を下げる必要があります。高分子量ポリマー (重量平均が約 3,000,000 など) は、濃度が 0.02% (w/v) 未満の状態で分析してください。逆に、分子量が 1,000 未満のエポキシ樹脂は、濃度が 0.20% の状態で分析できます。

これらの濃度で分析する場合、7.8 x 30 mm カラムあたりの最大インジェクション容量は、100 µL を超えてはなりません。

 

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検出器

粘度計や光散乱検出器をオンラインで使うことでどのような利点が得られますか? 

ポリマーの特性解析を行う化学者は、特定のサンプルについてより多くの情報を得たいと望んでおり、「高度な検出法」に興味を持つ人が増えてきています。粘度計を屈折率検出器とオンラインで併用することで、RI 単独では得られない以下の 3 つの大きなメリットが得られます。

  • ユニバーサル較正で得られる「絶対」分子量
  • 分布全体にわたるポリマーの固有粘度
  • 長鎖分岐と関連した分岐情報 

光散乱検出器を使用すると、以下のメリットが得られます。

較正曲線を作成しなくてもわかる「絶対」重量平均分子量 (Mw)。ポリマーの回転半径。粘度計と同様の分岐情報

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