【日本国内編】 お客様事例

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岩城製薬株式会社様

Users Voice お客様活用事例トピックス

岩城製薬株式会社
三輪 明子様、河合 聡美様にお話を伺いました。




―今日は宜しくお願いします。
 三輪様・河合様 - 宜しくお願いします。

―始めにお仕事内容からお話いただけますか。

 三輪様(以後敬称略):製剤研究部に所属しています。この部署では、会社の発売計画に沿って原料を集め試作品の製剤を作ります。それを分析し安定性を確認して世の中に出せるものをつくり上げる部署です。担当は大きく試作の人と分析の人に分かれます。今、ここにいる河合さんは分析の担当です。
河合様(以後敬称略):宜しくお願いします。

―お仕事の中で一番苦労されることは何でしょうか?

 河合 - 私は分析を担当なので、分析法開発が一番大変です。

―分析法開発は時間もかかりますし経験的な部分も必要かと思います。どのように対応されていますか? 

 河合 - 正直手探り状態です。やってみないとわかりません。最初はとにかくよく使っている移動相とカラムあとは他の原薬の分析データを参考にして分析してみます。

―一発でうまくいく可能性は何%くらいですか?

 河合 - 60%ぐらいですね。

―結構高いですね。

 河合 - いえ、あとの4割が大変です。どうしていこうか……。(苦笑)

―最初に選択するカラムはどういうものですか?

 河合 - ODSの25センチの種類が揃っているのでそれを良く使います。

―結構長いカラムですね。分析時間は?

 河合 - 初めは結構長く見ます。ピークが出てくるまで。40~50分程度でしょうか。

 三輪 - 構造から溶出時間を推測してあっても溶出を待てるのはせいぜい1時間か2時間が限度です。

―かなりの分析時間ですね。結果的に分析の方がデータを取得して、医薬品の承認申請書を作成されると思いますが、そちらはまた別の部署という形でしょうか。

 三輪 - 最終的な書類は信頼性保証部が担当します。ただ、実質は殆ど製剤研究部が対応して整合性を確認してもらう形です。ある程度形式が決まっているのでそれ程大変ではありません。

―2009年に一部変更申請の迅速化というアナウンスがありました。具体的には2005年以降に製造方法の審査を受けた医薬品の一部変更申請(以後、一変申請)について、審査をする時間を短縮するという内容です。最初に知った時の率直な感想を教えてください。

 三輪 - 必要な時に一変申請が出せて、割と早く承認されるので便利になると思いました。

UPLCで一変申請に対応されたとお聞きました。その際に何か苦労をされた点はありましたか?

 河合 - UPLCで既に承認済みの製剤5種類の試験法変更を行いました。苦労は特にありませんでした。メソッドもHPLCから殆ど変わらず移行できました。

―元々、一変申請をするきっかけは?

 三輪 - 分解物が今一つ分離するのに時間が掛かったので、今回の迅速化を機に分析法を変更しようという話になりました。不純物や分解物が毒性になる可能性もありますので。コンプライアンスです。

―普通のHPLCでは分析時間が長くなる。そこで高速&高分離なUPLCを利用したという事でしょうか。

 河合 - そうです。分解物を分離した上に60分のLC条件を20分に短縮できました。

―分離向上と時間短縮を一度に対応ですね。

 三輪 - この差は大きいです。弊社では製品を安定供給するために製剤を作る原薬は可能な限り2ルート用意しています。申請のためには各々に対して3ロット3回の繰り返し測定を行います。その9分析をルート毎に実施しますので、結局1製剤に対して18回分析しないといけません。それ以外にもシステムの性能確認を行ってからサンプルを流さなければいけないので立ち上げが早いUPLCは重宝しています。

―結局トータルでどれくらい時間短縮できましたか?

 三輪 - 普通にHPLCで一変を行った場合とUPLCの場合を比較すると、実稼動時間が4.6倍短縮できていました。

―すごい短縮ですね。

 三輪 - 申請段階で時間短縮できたのも大きいですが、それ以上に品質管理で分析する時間が大幅短縮できるので、会社にとってランニングコストが大幅に下がり、今後大きなメリットが出てくると思います。

―実際申請された立場から、一変申請の迅速化のアナウンス前後で大きく変わった点はありますか?

 河合 - 残念ながら今のところはありません。提出するまでの手順は変わらないので今のところは便利とは感じてはいません。ただ、その後の照会事項が届き承認されるまでは早くなってくると思います。

―ところでUPLCで一変申請に対応された試験項目は?

 河合 - 定量試験だけです。

―試験法を開発された際、バリデーションはどの程度まで対応されていますか?

 河合 - フルバリデーションです。

―原薬の試験法と製剤の試験法が異なってしまうかもしれませんがどのように対応されていますか。

 三輪 - それは問題ありません。いつ(クロマトグラム上のどこに)何が溶出されるという説明ができれば何の問題もありません。不純物であれば不純物を入手して、それはここに溶出されますという説明が出来れば大丈夫です。

―なるほど。原薬の試験法と製剤の試験法が完全一致している必要はなくて、きちんと科学的に裏付けされたデータを示すことで問題はないと。

 三輪 - はい。そうです。

UPLCに関して当局から照会事項というのは何かございましたか? 

 三輪 - まだないですね。

―私は全く存じ上げないのですが、通常承認申請の後、照会事項を求められるケースというのは多いのでしょうか?

 三輪 - 基本的にほとんど来ます。一変に限ると、前の試験方法から新しい試験方法に変えていますので、その理由説明で納得のいかないところがあれば求められます。

―どういう形で来ますか?

 三輪 - FAXで文書が来ます。それに対して資料やデータを付けて説明を返します。UPLCも同じ対応で特に問題ないと思います。

―御社が既に承認済みの製剤で分析条件が最長何分ですか?

 河合 - 90分です。

 三輪 - 品質管理課では、全ロットを確認していますし、安心安全プロジェクトもあってGE品質確認のため安定性試験を実施するロットもあります。現状、その製剤を分析するとHPLCが完全に占有されてしまいます。

―現在一変申請中の製剤が無事承認されたら、今後そのような長い分析法を短縮する要望が出てきそうですね。

 三輪 - 品質管理課に既にUPLCが導入されているため、間違いなく会社の上層部から話が来ると思います。忙しくなりそうです。笑

―弊社に来る問い合わせも、一変申請の迅速化のアナウンスがあった以降、品質管理の部署からUPLCで対応検討したいという話が増えました。お話を伺う限り、やはり品質管理の負荷を下げる事は重要な課題だと感じます。

 三輪 - そうですね。品質管理課からいつも言われる事は、「分析が長い」。できるだけ短くという目標で対応していますが、やはりHPLCも限界があります。もしUPLCがあれば・・・と思うのが正直なところだと思います。このご時世ですから、費用対効果が優れている方法を検討する方が多いと思います。

―一般的な分析法のHPLCの流速どれ位ですか?

 河合 - ものによりますが、約1mL/minです。

―ということは、24時間稼動で約1.5L使用ですね。

 河合 - はい、すごい量です。廃液処理が大変です。

 三輪 - 月に1、2回は全員で重い一斗缶を運びます。(苦笑)

―UPLCだとかなり廃液も減ると思いますがいかがですか?

 三輪 - かなり減りました。廃棄も楽ですし、何より一時期のアセトニトリル供給不安があり、価格も高止まりしていますのでコストを減らせるのは助かります。

―御社の場合、外用剤が多いと思います。添加剤が多そうですがカラムは大丈夫ですか?

 三輪 - 外用剤ですからね。(苦笑)

 河合 - 外用剤の抽出物なので、HPLCでもUPLCでもどちらでも詰まります。

―ガードカラムはお使いですか?

 河合 - はい。使っています。特に軟膏剤はインジェクションをしていくとピーク形状が悪化してきます。でも、ガードカラムを変えるときれいに戻ります。ガードカラムは大活躍です。

―UPLCは2004年に販売開始でした。最初にお耳に入ったのはいつ頃ですか?

 三輪 - 販売開始直後でした。展示会とウォーターズ営業からです。

―そのときの印象はいかがでしたか?

 三輪 - 「良いな」と「高いな」。(笑)あともう一つ。「今後HPLCからUPLCに代わっていく」と思いました。

―他のLCと比べて、UPLCの使い勝手はいかがでしょうか?

 河合 - 他のLCと変わらないです。カラムもすぐ平衡化するので切りかえが早いです。パージもボタンを押せば全部平衡化まで自動できます。満足しています。ただ、導入直後に脈流があって問い合わせした事がありました。

―大変ご迷惑をおかけしました。その時の対応はいかがでしたか?

 三輪 - サービスの方が迅速な対応をしてくれました。

 河合 - そうですね。早く対応して頂けたので助かりました。今は問題ありません。

―装置は不具合や故障が発生する場合もあります。出来るだけお客様にご迷惑をおかけしないように努めてまいります。

 三輪 - 宜しくお願いします。

―最後に、御社の御社の会社紹介をお願いします。

 三輪 - 岩城製薬は後発品メーカーで外用剤が得意な会社です。その分野では後発品メーカーの中で国内トップシェアです。外用剤は固形剤にはない苦労がたくさんあり、かなりのノウハウが必要です。その為、自社だけではなく大手製薬企業から研究依頼を受けることもあります。また、自社で原薬工場も所有しており、原薬の供給から製剤の供給まで一貫して対応できる強みもあります。

―本日はありがとうございました。


担当者コメント:
医薬品外用剤に定評があり、それ以外にも医薬品原料や食品添加物など幅広く対応されている岩城製薬様にお伺いました。お話を聞いて非常に良いお仕事をされている印象を受けました。今回のインタビューを通して、外用剤だけでなく一般市販薬に入っているアセトアミノフェンやエテンザミドなども国内トップシェアだと知ってビックリ。皆さんがお使いの風邪薬にも入っているかもしれませんね。今後も良いお仕事を期待しております。


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