• アプリケーションノート

アミノ酸分析に AccQ•Tag Ultra VanGuard プレカラムを使用して同等のクロマトグラフィー性能を達成

アミノ酸分析に AccQ•Tag Ultra VanGuard プレカラムを使用して同等のクロマトグラフィー性能を達成

  • Kenneth D. Berthelette
  • Jennifer M. Nguyen
  • Ning Zhang
  • Paula Hong
  • Jennifer Simeone
  • Waters Corporation

要約

複雑なマトリックスの分析をルーチンで実施すると、カラム性能に問題が生じる可能性があります。血漿、細胞培養培地、または食品サンプルでは、脂質やタンパク質などの内因性化合物が存在すると、時間の経過とともにカラムのインレットフリットが詰まり、カラム圧力が上昇してカラム寿命が短くなる可能性があります。これを軽減する 1 つの方法は、ガードカラムを使用することです。ガードカラムを定期的に交換することで、分析カラムの汚染を防ぐことができます。ここに示す試験では、ニート細胞培養培地標準品の分析に関して、AccQ•Tag Ultra ガードあり/なしでの AccQ•Tag Ultra カラムのクロマトグラフィー性能の比較を行っています。 

アプリケーションのメリット

  • AccQ•Tag VanGuard プレカラムにより分析カラムの寿命が延ばせる可能性がある
  • プレカラムの有無にかかわらず、同等のクロマトグラフィー性能が得られる

はじめに

アミノ酸分析(AAA)はさまざまな産業で行われており、それぞれ異なるサンプル前処理が行われています。細胞培養培地、食品や飼料中のタンパク質含量、タンパク質加水分解物の分析にはいずれも、固有のマトリックスに関連する課題があります。これらのマトリックス中に脂質、タンパク質、糖、その他の化合物が存在すると、分析法によっては、分析カラムに有害な影響が及ぶ可能性があります。ろ過やその他のサンプル前処理戦略はこれらの影響の軽減に役立ちますが、複雑なサンプル前処理(誘導体化手法)のステップは望ましくありません。この場合、サンプル流路中の分析カラムの直前にガードカラムを取り付けることで、分析カラムを保護することができます。

新しい AccQ•Tag Ultra プレカラムなどのガードカラムは、AccQ•Tag Ultra 分析カラムのインレットに取り付ける、固定相が充塡されている短いカラムです。ガードカラムを取り付けた後は、これらのガードカラムがマトリックスに最初にさらされ、内因性マトリックス成分によって最初に汚染されます。ガードカラムを定期的に交換することで、分析カラムの汚染を防ぐことができます。これまでにも、ガードカラムを使用した例がいくつか報告されています1-2。ガードカラムは非常に有用ですが、流路に固定相が追加されることでクロマトグラフィー結果にわずかな変化が見られる場合や、バンド拡散が多くなることがあります。今回示す試験では、ガードカラムあり/なしで AccQ•Tag Ultra カラムで分析した誘導体化細胞培養培地標準品の分離について比較しています。 

実験方法

サンプルの説明

アミノ酸標準キットの取り扱いと使用マニュアルの記載にしたがって調製および誘導体化されたアミノ酸細胞培養標準品キット(製品番号: 1860093003

LC 条件

LC システム:

ACQUITY UPLC H-Class、カラムマネージャ(CM)、カラムマネージャ Aux(CM-Aux)、および PDA 検出器を搭載

検出:

UV @ 260 nm

カラム:

AccQ•Tag Ultra C18 カラム、1.7 μm、2.1 × 100 mm(製品番号:186003837)

AccQ•Tag Ultra C18、1.7 μm、VanGuard プレカラム、2.1 × 5 mm(製品番号:186009955)

カラム温度:

43 ℃

サンプル温度:

20 ℃

注入量:

0.5 μL

流速:

0.7 mL/分

移動相 A:

AccQ•Tag 溶離液 A(製品番号:186003838)

移動相 B:

90:10(v/v)水:AccQ•Tag Ultra 溶離液 B

移動相 C:

Milli-Q 水

移動相 D:

AccQ•Tag 溶離液 B(製品番号:186003839)

サンプルマネージャ洗浄溶媒:

95:5(v/v)水:アセトニトリル

サンプルマネージャパージ溶媒:

95:5(v/v)水:アセトニトリル

グラジエントテーブル

グラジエントテーブル

データ管理

クロマトグラフィーソフトウェア:

Empower 3 Feature Release 4

結果および考察

分析カラムの保護は、カラムの寿命を延ばすための賢明な方法です。分析カラムを保護する最も簡単な方法の 1 つは、ガードカラム(またはプレカラム)を使用することです。この短いカラムには分析カラムと同じ固定相を使用しており、システム流路中の分析カラムの直前に取り付けます。複雑なマトリックスを分析する場合、ガードカラムが、タンパク質や脂質などのサンプルマトリックス中の成分によって最初に汚染されます。これによって、分析カラムが汚染されるのを防止できます。ガードカラムは、分析カラムを確実に保護するために定期的に交換するように意図されています。

ガードカラムを使用することで明らかなメリットが得られますが、サンプル流路に固定相が追加され、接続部が追加されることで、分析結果とシステム圧力に影響が及ぶ可能性があります。図 1 に、AccQ•Tag Ultra プレカラムを取り付けた/取り付けていない状態で、AccQ•Tag Ultra カラムで測定を行う場合の ACQUITY UPLC H-Class のシステム圧力を示します。

AccQ•Tag Ultra プレカラムを取り付けて(黒)、および取り付けていない(赤)状態で、AccQ•Tag Ultra カラムで上記のグラジエント条件を実行した場合における ACQUITY UPLC H-Class のシステム圧力
図 1.  AccQ•Tag Ultra プレカラムを取り付けて(黒)、および取り付けていない(赤)状態で、AccQ•Tag Ultra カラムで上記のグラジエント条件を実行した場合における ACQUITY UPLC H-Class のシステム圧力

これらの試験条件では、AccQ•Tag Ultra プレカラムを使用すると、システム圧力が約 500 psi 上昇します。これは、プレカラムにより 5 mm の充塡ベッドがシステムに追加され、結果として圧力が 4% 上昇するためです。プレカラムがクロマトグラフィー性能に及ぼす影響を評価するために、AccQ•Tag Ultra 誘導体化キットを使用して細胞培養培地標準品を試験および分析し、ガードカラムあり/なしでの AccQ•Tag Ultra カラムで分析を行いました(図 2)。 

PDA 検出器付きの ACQUITY UPLC H-Class で細胞培養培地グラジエントメソッドを使用した、AccQ•Tag Ultra カラムにガードカラムを取り付けた状態(上)と取り付けていない状態(下)での細胞培養培地標準品の分析。
図 2.  PDA 検出器付きの ACQUITY UPLC H-Class で細胞培養培地グラジエントメソッドを使用した、AccQ•Tag Ultra カラムにガードカラムを取り付けた状態(上)と取り付けていない状態(下)での細胞培養培地標準品の分析。1)AMQ、2)HyPro、3)His、4)Asn、5)Tau、6)Ser、7)Gln、8)Arg、9)Gly、10)Asp、11)Glu、12)Thr、13)Ala、14)GABA、15)Pro、16)HyLys1、17)HyLys2、18)AABA、19)Orn、20)誘導体化ピーク、21)Cys、22)Lys、23)Tyr、24)Met、25)Val、26)Ile、27)Leu、28)Phe、29)Trp。

ガードカラムあり/なしでのクロマトグラフィー性能は、クリティカルペアである Gln/Arg(7/8)と Cys/Lys(21/22)において同等です。これらのクリティカルペアはベースライン分離され、プレカラムあり/なしでの USP 分離度が 1.5 を超えています。成分 4 と 5 の間のピークは、リジンが完全に誘導体化されていない場合にのみ存在する、部分的に誘導体化されたモノリジンである可能性があることに注意が必要です。この試験では、モノリジンのピークの存在は結果に影響しません。ピークテーリング、保持時間、および USP 分離度の値についても、プレカラムあり/なしで同等の結果となりました(表 1)。追加した固定相によって保持時間がわずかにシフトしますが、保持時間の差は 0.2 分未満とわずかで、解析メソッドの保持時間ウィンドウ内に収まっています。 

プレカラムあり/なしで同定されたアミノ酸の保持時間、ピークテーリング、および USP 分離度
表 1.  プレカラムあり/なしで同定されたアミノ酸の保持時間、ピークテーリング、および USP 分離度

全体として、プレカラムあり/なしでのクロマトグラフィー性能は同等です。保持時間の差は 5% 以下でした。ピークテーリングの変化も 5% 未満でしたが、例外として Asp のピーク形状が 9% 改善していました。USP 分離度の変化も、HyLys1 と Trp を除いて 5% 未満でしたが、それでも分離度はベースライン分離を示す 1.5 カットオフを十分に上回っています。認められた変化はわずかで、分離が変化するほど顕著ではありません。プレカラムを使用することで、カラムを変更せず、AccQ•Tag Ultra カラムをより多くのサンプル分析に使用できる可能性がもたらされます。 

結論

分析カラムの前にガードカラムを使用することで、分析カラムが保護され、寿命を延ばすことができます。ガードカラム、あるいはプレカラムには固定相のベッドが充塡されており、注入したすべてのサンプルがこれに最初に接触します。つまり、細胞培養培地や食品・飼料マトリックスなど、カラムを汚染する可能性のある特に面倒なマトリックスがサンプルに含まれている場合、ガードカラムが分析カラムの前に汚染されます。したがって、カラム自体ではなく、汚染したガードカラムを交換することで、カラムの寿命を延ばすことができます。

AccQ•Tag Ultra プレカラムをガードカラムとして取り付けた状態と取り付けていない状態とで、同等のクロマトグラフィー性能が得られることが分かりました。ガードカラムあり/なしでカラムを使用した場合、システム圧力と保持時間の差は 5% 未満でした。ガードカラムを用いることで、クロマトグラフィー性能に大きな影響を与えずに、より高価な分析カラムを保護するのに役立ちます。

参考文献

  1. Shiner S, Delano M, Lauber M, Rzewuski S, Warren W, McLaughlin J, Byrd S. VanGuard FIT: A Breakthrough in Guard Column Performance for Challenging Chromatographic Separations.Waters Application Note, 720006500EN, 2019. 
  2. Koza S, Chen W. BioResolve SEC mAb Guard Columns for Production Process and Formulation Development Samples.Waters Application Note, 720006955EN, 2020.
  3. Amino Acid Standard Kits Care and Use Manual.Waters Care and Use Manual, 72000663EN, 2020. 

720007460JA、2021 年 12 月

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