色素増感型太陽電池研究開発におけるウォーターズのソリューション

 

■ 太陽電池の種類
■ 色素増感型太陽電池の機構
■ 色素増感型太陽電池に使用される色素の種類とルテニウム錯体
■ Xevo G2-XS QTof を用いたルテニウム錯体の分析事例
■ 色素増感型太陽電池用色素分析におけるシステムソリューション

 

 

 

 

太陽電池の種類


太陽電池は半導体を利用して光エネルギーを直接的に電力に変換する物理電池です。太陽電池は使用される材料によってシリコン系、化合物系、有機系の3つに分類されます。シリコン系太陽電池には、高価ですが高性能で変換効率が良い単結晶シリコン、単結晶よりも安価に製造でき、変換効率も良い多結晶シリコン、結晶系よりも変換効率は劣るが大量生産が容易な薄膜シリコン太陽電池などがあります。化合物系太陽電池としては、省資源で多結晶シリコンに近い変換効率を持つCiGS系やカドミウムを使用したCdTe太陽電池などがあります。有機系太陽電池としては、有機半導体や色素増感型太陽電池がありますが、色素増感型はシリコン系と比較して製造が容易であり、軽くデザイン性の高いものが製造可能などの特徴から実用化に向けて研究が行われています。

 

色素増感型太陽電池の機構

色素増感型太陽電池の原理は、

  1. 電池に光が当たると電池中の色素が励起状態となり、電子を放出する。
  2. この電子は酸化チタン(TiO2)を経由して透明電極に達し、外部に流れる。
  3. 対極にて電解液中の三ヨウ化物イオンI3-が電子を受け取ることにより還元され、ヨウ化物イオンI-が生成される。
  4. 電子を放出して陽イオンになった色素は、 I-から電子を受け取り、元の状態に戻る。

酸化チタンのみでも発電を行うことは可能です。しかし酸化チタンは紫外線しか吸収することができません。可視光の波長の光を吸収する色素を加えることにより、広い波長範囲の光を利用し、光電変換効率を高めることが可能となります。色素増感型太陽電池は、色や形状の自由度が高く、シリコン系よりも軽量、構造が単純なため大掛かりな製造設備を必要とせず、安価で量産しやすいなどのメリットがあります。しかし、光電変換効率がシリコン系と比べて高いものでも約半分の10%程度であるため、より効率の良い色素増感型太陽電池の開発が進められています。

 

色素増感型太陽電池に使用される色素の種類とルテニウム錯体


色素増感型太陽電池用途として、遷移金属のポリピリジン錯体、メタロポルフィリン、メタロフタロシアニンの他、金属を含まない各種ドナー-アクセプター型色素など、さまざまな発色団配位子(chromophoric ligand)を持つ多種類の色素が研究されています。

ルテニウムのポリピリジン錯体は、長年にわたり光物理学と光酸化還元反応の化学おいて研究されています。ポリピリジン配位子の共役系を変化させることにより、適切な官能基を導入することが容易なため、高効率な増感剤の開発が進められております。

 

 

 

 

 

 

 

UPLC/Xevo G2-XS QTof を用いたルテニウム錯体の分析事例
ルテニウム錯体は、ODSなどの逆相系カラム充塡剤のシラノール基と不可逆なインタラクションによりカラムから溶出されにくく、吸着により非常にブロードなピークとして溶出されます。合成の収率を評価する不純物分析においては、不純物ピークとの分離が不十分となり、不純物ピークを見逃してしまい、正しい収率評価を行うことができません。ウォーターズではハイブリッドパーティクルテクノロジーを採用したBEHカラムとUPLCシステムを使用することにより、非常にシャープなピークとしてルテニウム錯体を分析することを可能にしました。これにより、合成不純物成分を見逃すことなく収率評価を行うことができます。さらに主成分と分離することで、より信頼性のある質量情報を得ることができますので、不純物の構造推定が容易にします。これにより合成プロセスにおける不純物の生成メカニズムを捉えることができ、より不純物の少ない合成プロセスを検討することが可能になります。また色素の受け入れ検査では、納入された色素についてPDA検出器を用いた純度検査を容易に行うことにより、安定的な品質管理を行うことができます。ルテニウム錯体分析アプリケーションはこちら

 

色素増感型太陽電池用色素分析におけるシステムソリューション

UPLC/Xevo G2-XS QTof(UPLC/四重極・飛行時間型質量分析計)
■ IntelliStartによるオートキャリブレーション機能
■ LockSpray機能による高精度精密質量測定
■ i-Fitによる高精度の組成解析
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